もはやこの映画自体が魔法だ。
実写版『美女と野獣』を観てきた。
ものすごく贅沢で美しい“動く絵本”を観たような気持ちになった。
2017年の実写映画なのに、しっかりオールドスクールなディズニー映画の雰囲気もある。こういう“イズム”はすごいなぁと思う。
ディズニー映画は「夢を観せてくれるもの」として機能している。観る方も「さぁ今からたっぷりの夢を頼むぜ」という気持ちがある。
昔はその押し付けがましい“夢”が現実逃避のようで、すこし苦手だった。
多少ばかり歳を取ると、美しいものは美しい。美味しいものは美味しい。良いものは良い。こんな感じで素直に感じるようになった。(もちろん嫌いなものはやっぱり嫌いということもある)
どのシーンも、映像が、人が、衣装が、音楽が、歌が美しかった。
この映画に限ったことじゃないけれど、頭が「これはCGだな」と映像技術に対して感じなくなってきたあたりから、映画はさらに進化を遂げたように思う。
変にアニメ感のないデザインのキャラクターたちも良かった。魔法が現実的に存在したのなら、こんな感じになるんだろうという説得力があった。
子供だけじゃなく、老若男女楽しめると思う。
あと個人的なことだけど、野獣が時折ザキヤマさんに見えてしまったのと、こないだ観た『T2・トレインスポッティング2』で、あんなにもダメなジャンキーだったユアン・マクレガーが華麗に歌い上げるシーケンスがあるのだが、あまりにもファンタジックで美しいシーンだったから「またキマってんのか?」とつい思ってしまった。自分の業の深さを恨む。
そうか、ディズニー映画は自分の業の深さをあらわにするところがあるから、昔は苦手だったのかもしれない。
歳を取ると、業の深さも自分自身だと認めないと生きていけない。たまに気分転換したい時は、映画が業を忘れる魔法をかけてくれる。
サントラが聴きたくなったし、またアニメ版を再度観てみたくなった。
◆関連記事